皆さんは、人材派遣と聞いて何を想像するでしょうか?
一般的なイメージとしては、期間を定めて就業するというイメージがあります。
しかし、それだけならば、契約社員やパートさんやアルバイトも同様と言えます。
人材派遣に関する報道を見ていると、上述の就業期間ばかりに焦点が当てられていて、派遣制度の特徴そのものには注目されていないようにも思えます。
つまりは、契約社員やパート・アルバイトでも起こりうる諸問題を派遣という従来のイメージと抱き合わせた報道が一部で報じられているのではないかと問題提起することができます。
その結果が、現在の派遣の評判ではないかと、梶岡博樹も考えるところであります。
話を元に戻しまして、派遣のイメージについて考えたいと思います。
先程は、就業期間を定めただけでは、派遣そのもののイメージにはなりえないことはお話しました。
次に考えられる派遣のイメージは、就業場所とは雇用関係がないことではないでしょうか?
それではどこと雇用関係があるのかと言うと、派遣スタッフさんは、派遣会社と雇用関係があります。
たとえばAという保険会社で派遣社員として勤務するB子さんの雇用主はCという派遣会社となります。
C社とB子さんは雇用関係にありますが、B子さんが日々出社するのはA社となります。
お給料はどこから出るのかと言うと、C社から出ます。
社会保険はどこで加入するかと言うと、C社で加入し、C社が社会保険料の半分を負担します。
半年間勤務すると10日の有給休暇が発生しますが、有給休暇はどこから取得するかというと、C社です。
以上が派遣制度の概況です。
ここで困ったことが生じます。
B子さんの雇用関係がCという派遣会社とあるのですが、ある日突然、B子さんが勤務するA社からB社に対して「B子さんは思っていたほどパソコンができないので、明日から来させないでもらいたい。」という連絡が入った場合はどうでしょうか?
B子さんの雇用主である派遣会社C社は、B子さんの生活を保障しなくてはなりません。
しかし、お客様であるA社との関係も大切にしたい。
契約期間が仮に3ヵ月だった場合で、既に2カ月を過ぎているような場合なら、『なんとか契約期間の満了まで勤務させてください』とA社にC社から依頼できるものです。
しかし、まだ1ヵ月しか勤務していないような状況の場合はいかがでしょうか?
こういった問題について今後書いていきたいと思います。
それでは今日はこの辺で。
梶岡博樹