販売と営業とマーケティングの違いについて問われた際に、明確に答えられるようにしておきたいものです。
2019年の4月入社の新入社員に尋ねられる可能性もありますので、新入社員にもわかりやすいように、当サイトでかみくだいて事例を用いて解説していきます。

販売と営業の違い

購買意思が既にあるかないかが分かれ目

まずはじめに、販売と営業の違いについて解説したいと思います。

【コンビニのレジにカップ麺を持って並んでいる学生に対面する店員】

この場合は、販売となります。学生さんは既に、カップ麺を購入したいという意思が明確にありますので、この場合は販売となります。

【コンビニの前の道路を歩行するサラリーマンにクレジットカードの入会を勧める店員】

この場合は、営業となります。コンビニのレジにてクレジットカードの入会用紙を持って並んでいる人に入会させる場合には、販売となりますが、ただ単にコンビニの前を通過中の人にクレジットカードの入会を勧めるのは営業となります。まったくもって、購買の意思がない人に勧めるケースは営業となります。

名刺が必要かどうかが販売と営業の分かれ目

更にわかりやすく販売と営業の違いを説明するには、名刺というツールが重要となります。

名刺が必要ないのが販売で、名刺が必要不可欠なのが営業です。

コンビニの店員さんで名札はあっても、名刺を出してくる人はいないものです。

しかし、住宅や自動車を購入する際には、営業マンから名刺を出されないケースはないはずです。

どこで誰から購入するかのウェイトが分かれ目

カップ麺をどこで誰から買うかはそれほど、重要ではありませんが、住宅や自動車を購入する際には、どこで誰から買うかにもこだわるものです。

住宅や自動車の営業マンは、まず飛び込みセールスの場合には、〇〇社の〇〇と申しますと、どこのだれかを明らかにして、信用してもらう必要があります。
その際に、名刺が必須のツールとなります。

新規かリピーターでも販売と営業は異なる

1台目の自動車を購入してくださったお客さんが3年後に2台目の車への買い替えを検討して来社した際には、営業ではなく販売となります。
そこで名刺を出すのは失礼ですし、既に購買の意思が明確となっているからです。
このことからも、リピーターに比べてどれだけ新規営業の難易度が高いことがわかると思います。

販売・営業とマーケティングの違い

これまで、販売と営業の違いを解説してきましたが、ここからは、販売と営業をセットにして、その販売と営業に対してマーケティングの違いを解説していきます。

対象が顧客か市場かの違い

販売と営業は、行動の対象が顧客となります。

それに対して、マーケティングは特定の顧客ではなく、市場に対してアクションを取るという特徴があります。

マーケティングとは、売れ続ける仕組みづくり

マーケティングの定義を最もわかりやすく定義するとすれば、それは売れ続ける仕組みを構築することです。

コンビニでカップ麺を売れるようにするには、①市場調査②製品開発③価格設定④広告宣伝…他多数の工程があります。

自動車ディーラーで、5年後に買い替えに来店してもらうには、既存顧客を管理する仕組みが必要となってきます。

コンビニでも自動車ディーラーでも、一時的に売ることは販売でも営業でも可能ですが、売れ続ける仕組みを作るには、その販売員や営業マンの技量だけではどうすることもできずに、対顧客ではない、対市場を見た戦略が必要となってきます。

上記の売れ続けるための一連の戦略の流れをマーケティングと捉えることができます。

販売・営業・マーケティングそれぞれにカリスマは存在する

デパートの寝具売り場の販売員にカリスマがいれば、住宅展示場にカリスマの営業マンがいて、東京丸の内の本社ビルにはカリスマのマーケッターがいるものです。

それぞれ3者で求められる役割や能力が異なります。

しかしながら、営業として採用したのに、飛び込みでの自動車の営業成績が上がらずに、ディーラーへの来店客への販売しかしていない社員の評価はいつまでも上がらず、逆に、販売として採用したが、紳士服売り場でスーツを売るだけでなく、自社のクレジットカードへの入会も多く獲得する営業的活躍をしてくれる社員には高いボーナスが支給されたりするものです。

まとめ

本記事にて、販売と営業とマーケティングの違いを事例を用いて解説しました。

皆さんの理解の一助となれば幸いです。

販売と営業とマーケティングの役割を区別しているだけでも、会社から自分自身が何を求められているかが理解できて、活動の自信にも繋がるものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

茨城県守谷市 梶岡 博樹